Fire App Builder: Fire TV対応アプリの構築用ツールキット
Amazon Fire TV対応のメディアベースのアプリを構築予定の場合は、アプリ開発の迅速化に役立つFire App BuilderというAndroidプロジェクトが用意されています。Fire App Builderは、AndroidとJavaを使用してネイティブアプリを構築するAndroid開発者向けのツールです。
Fire App Builderの概要
Fire App Builder(Githubからダウンロード可能)は、Amazon Fire TVを対象としたAndroidメディアストリーミングアプリを短時間で簡単に開発できる、Javaベースのフレームワークを提供します。Fire App BuilderではJava Androidコードが使用され、Amazon Creatorは、HTML5/CSS3/JSコードを使用します。
Fire App BuilderはAndroid Studioで使用します。Android Debug Bridge(ADB)を介してAmazon Fire TVデバイスに接続し、APK(Android Package Kit)ファイルを生成してAmazonアプリストアにアップロードします。
Fire App BuilderではAndroidのAPI(特にLeanback Library)が使用されていますが、大半の構成とカスタマイズはJSONファイルとXMLファイルで行うことができます。たとえば、JSONファイルとXMLファイルで10種類以上のコンポーネントを構成し、アプリに追加することができます。各種コンポーネントには、分析、広告、承認、購入、メディアプレーヤーの機能があらかじめ搭載されています。
Fire App Builderは、Javaに関する専門的な知識に極力依存しないように設計されていますが、深いレベルで統合する場合には、Fire App Builderを基盤として開発を進めることもできます。共通のインターフェイスやほかのコードから、カスタムのJavaクラスを追加して独自に機能を拡張することが可能です(Javaのカスタムプログラミングを望まない場合は、しなくても問題ありません)。
Fire App Builderでは、メディアフィードとして、JSONまたはXMLを使用できます。使用するデータの構造やタグ名に決まりはありません。Fire App Builderの構成作業では、対象となるフィードの各種要素をクエリ構文(JSON Jayway構文またはXPath式)で記述します。
フィードには、DRMで保護されているメディアのトークンが必要になることもあります。YouTubeベースのフィードなど、各種ビデオホスティングサービスへの対応が予定されていますが、現時点ではまだ実装されていません。
カラー、レイアウト、タイポグラフィなどは自由に調整できます。いずれも、対応する設定が抽出されたXMLファイルまたはJSONファイルを編集することによって行います。
次のスクリーンショットは、Fire App Builderを使用して作成されたサンプルアプリです。
より簡潔なホームページレイアウトも利用できます。
詳細については、Fire App Builderのドキュメントを参照してください。Fire App Builderを使用して作成されたサンプルアプリについては、Hallmarkアプリを参照してください。
機能一覧
次の表は、Fire App Builderで利用可能な機能の一覧です。Fire App Builderに備わっていない機能でも、フレームワークが非対応というわけではありません。まだその機能がコードに組み込まれていないというだけのことです。通常は、必要なサードパーティのコードをFire App Builderに挿入すれば、そのサービスをサポートできます。
カテゴリー | 機能 | Fire App Builder |
---|---|---|
コードベース | Java/Android | |
HTML5/CSS3/JS | ||
フィード形式 | JSONフィード | |
Media RSS XMLフィード | ||
カスタムXMLフィード | ||
アプリ配信オプション | APKとしてデバイスにインストール | |
URLから直接アプリをホスト | ||
メディアタイプ | HLS、DASH、Smooth Streaming、MP4 | |
DRM保護されたメディア | ||
ライブストリーム | ||
メディアプロバイダー | YouTube | |
Brightcove | ||
Kaltura | ||
Ooyala | ||
メディアプレーヤー | Amazon Media Player | |
Brightcove | ||
課金 | アプリ内課金(IAP) | |
認証 | Login with Amazon | |
Facebook認証 | ||
Adobe Primetime | ||
広告サービス | Freewheel広告 | |
VAST広告 | ||
アナリティクス | Omniture Analytics | |
Googleアナリティクス | ||
Crashlytics | ||
Flurry Analytics | ||
グローバルカタログ検索 | Amazonカタログへの統合によるグローバル音声検索 |
ウェブアプリからAndroidアプリへの移行
開発者によっては、まずウェブアプリとして申請し、後で(Fire App Builderなどで)Java Androidアプリに移行したいというケースもあります。アプリの種類(ウェブアプリかAndroidアプリか)は、アプリストアへの申請時に選択します。
アプリの申請後には、アプリタイプを別のタイプに移行することはできません(アプリタイプの変換については現時点では未対応ですが、対応が予定されています)。最初にウェブアプリとして申請した場合、新しいバージョンをAndroidネイティブアプリとしてアップロードすることはできません。まったく別のアプリをアップロードする必要があり、結果として既存のユーザーと統計情報を失うことになります。
ウェブアプリからネイティブアプリ(Fire App Builderなど)への移行を計画している場合、ウェブアプリにCordovaを使用することを検討してください。Cordovaを使用すると、ウェブアプリをAPKとしてラップし、Androidアプリとして申請することができます。後でAndroidネイティブアプリに移行することになった場合でも、新しいバージョンとしてアプリストアで公開することができます。
Last updated: 2023年4月4日