開発者ツールメニュー
開発者ツールメニューには、アプリに関するリアルタイム指標などの情報を提供する各種オプションが用意されています。トラブルシューティング・開発・テストなどにぜひ活用してください。
- 開発者ツールメニューの起動
- System X-Ray
- 詳細オプション
- スナップショット
- 記録&共有
- セーフゾーン
- 開発者オプション
- ネットワークプロキシ
- 認証情報ストレージの消去
- ネットワークアドバイザーの起動
- 関連リソース
開発者ツールメニューの起動
開発者ツールメニューを起動する方法は複数あります。
- リモコンの場合: 方向パッドで、選択ボタンを1秒間長押しし、選択ボタンを押したまま下ボタンを押します。両方のボタンを約3〜4秒間長押しします。次に、両方のボタンを放し、リモコンのメニューボタンを押します(うまくいかない場合は、時間を空けず、[選択] と [下] を同時に長押ししてみてください)。
- Amazon Fire TVゲームコントローラー(日本では現在お取り扱いできません)の場合: A とYを同時に5秒間長押しします。次に、コントローラーのメニューボタンを押してください。
-
Android Debug Bridgeの場合: adbを用いてFire TVに接続している場合:接続中のコンピューターで次のコマンドを実行し、ダイアログボックスを表示します。
adb shell am start com.amazon.ssm/com.amazon.ssm.ControlPanel
adbコマンドを使用するには、Fire TVの設定でADBデバッグを有効にし、Android Studioをインストールします。また、[設定] > [My Fire TV](または [デバイスとソフトウェア])> [バージョン情報] > [ネットワーク] の順に選択して、Fire TVのIPアドレスを確認しておく必要があります。コンピューターでターミナルウィンドウを開き、コマンド
adb connect 123.456.7.89:5555
を使用してADB経由で接続します(123.456.7.89
の部分は自分のIPアドレスに置き換えてください。ポートの5555
はそのまま使用します)。詳細については、 ADBを使用してFire TVに接続する方法を参照してください。
開発者ツールメニューのオプションは以下のとおりです。
各種パネルの説明は以下のとおりです。
System X-Ray
System X-Rayはシステムの指標を時々刻々と収集し、画面上にオーバーレイとして表示してくれます(オンにすると、常に表示されるようになります)。
System X-Rayのオーバーレイには、以下の情報が含まれます。
- ディスプレイ
- CPU
- MEM(メモリ)
- NET(ネットワーク)
詳細については、System X-Rayのオーバーレイを参照してください。
詳細オプション
Android MediaCodec APIが使用されている場合、[詳細オプション] をオンにするとマルチメディア情報が表示されます。オンにした状態でメディアを再生すると、右側にパネルが追加表示されます([MUL] はマルチメディア(オーディオとビデオ)、[AUD] はオーディオフォーカスを意味します)。
マルチメディアのパネルに表示される情報は、 [AUDIO(オーディオ)] [VIDEO(ビデオ)] [AUDIO FOCUS(オーディオフォーカス)] から成る3つのセクションに分かれています。
AUDIO
プロパティ | 説明 |
---|---|
Codec | 音声コーデック形式 |
Hardware Accelerated | オーディオ再生でハードウェアアクセラレーションが有効かどうか |
Input Bitrate | オーディオ入力のビットレート |
Secure | セキュリティ保護の有無 |
ビデオ
プロパティ | 説明 |
---|---|
Codec | ビデオコーデック形式 |
Hardware Accelerated | ビデオ再生でハードウェアアクセラレーションが有効かどうか |
Input Bitrate | ビデオ入力のビットレート |
Secure | ビデオのセキュリティ保護の有無 |
Frames Dropped | ドロップフレーム数 |
Resolution | 再生解像度 |
Frame Rate | 再生フレームレート |
Color Standard |
オーディオフォーカス
プロパティ | 説明 |
---|---|
Package | オーディオ再生のパッケージ名 |
Gain | オーディオフォーカスの推定ゲイン |
Loss | オーディオフォーカスの推定ロス |
F/U/C | フラグ/使用量/コンテンツ
|
オーディオフォーカスの値は、以下のように短縮されます。
AUDIOFOCUS_NONE
:noneAUDIOFOCUS_GAIN
:gainAUDIOFOCUS_GAIN_TRANSIENT
:g_trAUDIOFOCUS_GAIN_TRANSIENT_MAY_DUCK
:gtmdAUDIOFOCUS_GAIN_TRANSIENT_EXCLUSIVE
:gtreAUDIOFOCUS_LOSS
:lossAUDIOFOCUS_LOSS_TRANSIENT
:l_trLOSS_TRANSIENT_CAN_DUCK
:ltcdUNKNOWN
:unkn
スナップショット
スナップショットは、adb
コマンドを通じてあらゆる指標情報をリアルタイムに収集するための機能です。以下のコマンドを入力すると、指標情報がコマンドラインに表示されます。
adb shell dumpsys activity service com.amazon.ssm/.OverlayService
このコマンドが機能するのは、System X-Rayが使用中の場合のみです。
出力例を以下に示します。
SERVICE com.amazon.ssm/.OverlayService 3dde6680 pid=10820
Client:
[com.amazon.ssm.timestamp]: [2017-02-07 15:11:53]
[com.amazon.ssm.display.resolution]: [1080]
[com.amazon.ssm.display.refreshrate]: [60]
[com.amazon.ssm.display.hdcpversion]: [1.0]
[com.amazon.ssm.cpu.core0]: [30]
[com.amazon.ssm.cpu.core1]: [29]
[com.amazon.ssm.cpu.core2]: [0]
[com.amazon.ssm.cpu.core3]: [0]
[com.amazon.ssm.memory.appname]: [tv.twitch.android.viewer]
[com.amazon.ssm.memory.appmemory]: [56.8MB]
[com.amazon.ssm.memory.activememory]: [1.3GB]
[com.amazon.ssm.memory.availablememory]: [231.3MB]
[com.amazon.ssm.network.rssi]: [-56]
[com.amazon.ssm.network.systemdownloadspeed]: [2.2Mbps]
[com.amazon.ssm.network.appdownloadspeed]: [2.1Mbps]
記録&共有
記録&共有機能を使用すると、CPU・メモリ・ネットワーク・マルチメディアに関するリアルタイムの指標情報が履歴データとしてデータベースに保存されます。System X-Rayオーバーレイでも同じ情報がリアルタイムでグラフ表示されますが、記録&共有機能ではコマンドラインにダンプできる履歴として保存することができます。
記録&共有機能を使用するには、まず [開発者ツールメニュー] の [記録&共有] を [オン] にします。オンにすると、 [記録の設定] 画面が表示されます。
これらのプロパティで次のことを制御できます。
- 間隔: 記録を取る間隔を、 2秒・4秒・8秒・16秒・32秒の中から指定します。
- 持続時間: データをデータベースに保存する期間で、 1時間・2時間・4時間・8時間・16時間の中から指定します。
デフォルト値(間隔2秒、持続時間1時間)では、2秒ごとに統計値が記録され、データベースに1時間保存されます。
メディアを再生して情報を記録したら、以下のコマンドを使用してすべての指標履歴をコマンドラインにダンプすることができます。
adb shell dumpsys activity service com.amazon.ssm/.OverlayService -all
レスポンスには以下の情報が含まれます。
CPU:
- Timestamp
- cpu0
- cpu1
- cpu2
- cpu3
メモリ:
- Timestamp
- Total_Memory
- Available_Memory
- Active_Memory
- Foreground_App_Memory
- Foreground_App_PackageName
ネットワーク:
- Timestamp
- RSSI
- Download_Speed
- Foreground_App_Download_Speed
- Foreground_App_PackageName
マルチメディア:
- Timestamp
- AudioCodec
- AudioInputBitrate
- AudioAccelerated
- AudioSecure
- VideoCodec
- VideoInputBitrate
- VideoAccelerated
- VideoSecure
- VideoResolution
- VideoFramerate
- VideoFramedropped
コマンドラインの表示例を以下に示します。
CPU
Timestamp cpu0 cpu1 cpu2 cpu3
2016-10-31 11:40:22 19 16 13 18
MEMORY
Timestamp Total_Memory Available_Memory Active_Memory Foreground_App_Memory Foreground_App_PackageName
2016-10-31 11:40:23 919.3MB 156.3MB 731.8MB 31.3MB com.amazon.ssm
NETWORK
Timestamp RSSI Download_Speed Foreground_App_Download_Speed Foreground_App_PackageName
2016-10-31 11:40:21 -41 14.4 kbps 0 bps com.amazon.ssm
2016-10-31 11:40:23 -41 14.0 kbps 0 bps com.amazon.ssm
指標の一部だけが必要な場合は、そのためのオプションをコマンドに追加します。たとえば、メモリとネットワークに関する指標の履歴をコマンドラインにダンプするには、以下のオプションを追加します。
adb shell dumpsys activity service com.amazon.ssm/.OverlayService -memory -network
利用可能なオプションは以下のとおりです。
オプション | 説明 |
---|---|
空白 (オプションなし) |
スナップショットの情報がダンプされます。 |
-snapshot |
スナップショットの情報がダンプされます。 |
-all |
データベースからすべての情報がダンプされます。 |
-memory |
データベースからメモリの情報がダンプされます。 |
-cpu |
データベースからCPUの情報がダンプされます。 |
-network |
データベースからネットワークの情報がダンプされます。 |
-multimedia |
データベースからマルチメディアの情報がダンプされます。 |
利用可能なオプションを確認する場合は、-help
パラメーターを使用します。
adb shell dumpsys activity service com.amazon.ssm/.OverlayService -help
データベースに保存された指標の記録は、保存期間が過ぎて自動でデータ消去が行われる前に消去することもできます。消去するには、[開発者ツールメニュー] で [記録&共有] を選択してから、リモコンのメニューボタンを押してください。
セーフゾーン
TVによっては、画面にオーバースキャンが使用されていることがあります。オーバースキャンとは、表示画面の外側の情報を一部切り捨てて表示することです(モニターの差異に対応するため)。オーバースキャン領域には重要な情報を表示しないでください。
オーバースキャン領域を表示するには、[セーフゾーン] を [オン] にします。
Fire TV Stick(第2世代)には画面サイズの調整機能がありません。画面表示がTV画面にうまく収まらない場合、オーバースキャン領域が正確に表示されないことがあります。
開発者オプション
現在、一部のサードパーティアプリ(NetflixやHBO Goなど)では、Amazon Fire TVのホーム画面に専用の行を設け、おすすめコンテンツを表示するようになっています。おすすめコンテンツの詳細については、おすすめ機能の概要を参照してください。
開発者オプションにある [ダウンロード済みアプリからのおすすめ] をオンにすると、NetlixやHBO Goの行の下にサードパーティアプリから送信されたおすすめコンテンツが表示されるようになります。
この行をオンにすると、ユーザーがインストールした全サードパーティアプリからのおすすめコンテンツが表示されます(NetflixやHBO Goのように、おすすめコンテンツを表示する専用の行を持つアプリは別です)。
ネットワークプロキシ
アプリがリモートサービスまたはウェブサイトと通信を行う場合、生成されるHTTPまたはHTTPSトラフィックを検査できると便利です。これには、アプリが開始するリクエストとアプリが受け取るレスポンス、Cookieとキャッシュ情報などを含むHTTPヘッダーが含まれます。詳細については、ネットワークプロキシを参照してください。
認証情報ストレージの消去
Fire TV上のアプリで設定されている認証情報をすべて消去します。
ネットワークアドバイザーの起動
ネットワーク接続の強度やチャネルなどの詳細情報を確認できるネットワーク分析ウィンドウを起動します。問題がある場合、問題を修正するための推奨事項がネットワークアドバイザーから提示されます。
関連リソース
詳細については、以下を参照してください。