イベントの送信
ユーザーのアクセストークンを取得して保存したら、前に受け取ったディレクティブに対する非同期応答やプロアクティブなイベントを送信することができます。これらのイベントは、適切なリージョンのAlexaイベントゲートウェイエンドポイントにHTTPメッセージとして送信します。
非同期イベントのタイプ
非同期応答とイベントの構造は同期メッセージの場合と同じですが、イベントの送信先はAlexaイベントゲートウェイです。
以下のイベントをイベントゲートウェイに送信します。
- 検出イベント(
AddOrUpdateReport
やDeleteReport
など)。 - 非同期応答とエラー応答。
Alexa.ChangeReport
イベント。変更レポートを送信するには、検出中に、スキルがプロアクティブにレポートするプロパティを設定します。詳細については、状態および変更レポートについてを参照してください。- 特定の機能インターフェースによって定義されるイベント。
詳細については、スキルでサポートする各インターフェースのドキュメントを参照してください。
ゲートウェイエンドポイント
Alexaイベントゲートウェイにメッセージを送信するときは、スマートホームスキルやビデオスキルのリージョンと一致するイベントエンドポイントに送信します。以下のリストは、Alexaのリージョンと、それぞれに関連付けられているエンドポイントを示しています。
- 北米:
https://api.amazonalexa.com/v3/events
- ヨーロッパ:
https://api.eu.amazonalexa.com/v3/events
- 極東:
https://api.fe.amazonalexa.com/v3/events
たとえば、変更レポートを送信するスキルを米国と英国で提供する場合は、北米とヨーロッパのそれぞれのリージョンにAmazonウェブサービス(AWS)のLambda関数をデプロイする必要があります。米国のユーザーの場合は、Alexaは北米用に設定されたLambda関数にディレクティブを送信します。そのユーザーのアクセストークンを保存して、スキルの北米用Lambda関数からアクセスできるようにします。そのユーザーのイベントをhttps://api.amazonalexa.com/v3/events
に送信します。英国のユーザーの場合は、ヨーロッパ用に設定されたLambda関数にディレクティブを送信し、トークンを保存して、ヨーロッパのエンドポイントにイベントを送信します。
また、ユーザーが地理的リージョン間を移動した場合、スキルの再有効化と再リンクを行う必要があります。これにより、関連付けられたユーザー情報の保存場所をスキルが変更できます。
非同期イベントの定義
非同期応答やイベントをAlexaに伝達するには、AlexaイベントゲートウェイにHTTP POST
メッセージを送信します。
APIエンドポイント
エンドポイントは、ユーザーがいるリージョンのゲートウェイエンドポイントに設定します。
認証
Alexaゲートウェイでスキルを認証するには、HTTPヘッダーでベアラートークン認証を使用します。このとき、保存されているユーザーのアクセストークンを含めます。アクセストークンは有効期限が切れる前に更新してください。
リクエスト
リクエストヘッダーとメッセージの本文にアクセストークンを含めます。
リクエストヘッダーの例
POST /v3/events HTTP/1.1
Host: {gateway-endpoint}
Authorization: Bearer {access-token-from-Amazon}
Content-Type: application/json
リクエストヘッダーのパラメーター
パラメーター | 説明 | 型 | 必須 |
---|---|---|---|
|
ユーザーがいるリージョンのゲートウェイエンドポイントに設定します。 |
文字列 |
◯ |
|
ユーザーのアクセストークンです。 |
文字列 |
◯ |
リクエスト本文の例
以下は、SetColorTemperature
ディレクティブに対する非同期応答の例です。
{
"event": {
"header": {
"namespace": "Alexa",
"name": "Response",
"messageId": "<一意の識別子、バージョン4 UUIDが望ましい>",
"correlationToken": "リクエストに一致するopaque相関トークン",
"payloadVersion": "3"
},
"endpoint": {
"scope": {
"type": "BearerToken",
"token": "access-token-from-Amazon"
},
"endpointId": "<エンドポイントID>"
},
"payload": {}
},
"context": {
"properties": [{
"namespace": "Alexa.ColorTemperatureController",
"name": "colorTemperatureInKelvin",
"value": 5500,
"timeOfSample": "2022-02-03T16:20:50.52Z",
"uncertaintyInMilliseconds": 0
}]
}
}
リクエスト本文のパラメーター
リクエスト本文の定義については、個々のイベントタイプのドキュメントを参照してください。endpoint
オブジェクトにはscope
プロパティが含まれ、そのtype
はBearerToken
、token
はLWAから受け取ったaccess_token
に設定されています。
応答
成功すると、Alexaはイベントが受け付けられたことを示す202 Accepted
を送信します。その後、論理的な検証と処理が行われます。リクエストが受け付けられない場合、Alexaは適切なHTTPステータスコードを送信します。たとえば、期限切れのトークンを含むリクエストを送信すると、AlexaからHTTP 401 Unauthorized
応答が返されます。
応答本文のパラメーター
この応答には本文はありません。
HTTPステータスコード
次の表は、スキルがAlexaイベントゲートウェイから受け取る可能性のあるHTTPステータスコードの一覧です。エラーを受け取った場合は、payload
オブジェクトにcode
フィールドとdescription
フィールドが含まれます。これらのフィールドはログ記録の目的でのみ使用してください。
ステータス | ペイロードのコード | 説明 |
---|---|---|
|
— |
リクエストは認可され、メッセージは構文的に有効なイベントでした。イベントは受け付けられ、論理的な検証と処理に進みます。 |
|
|
メッセージが無効です。フィールドがない、値が正しくない、正しいJSON形式ではないことが原因です。ドキュメントと照合して、メッセージにすべての必須フィールドが含まれていることを確認します。 |
|
|
メッセージに認可トークンが含まれていないか、トークンが無効、有効期限切れ、形式が正しくないのいずれかです。トークンを更新して、リクエストを再試行してください。ユーザーがスキルを無効にすると、アクセストークンも無効になります。この場合は、ユーザーが認可を取り消したため、変更レポートの送信も停止できます。 |
|
|
イベントゲートウェイへのアクセスが許可されていません。イベントを正しいリージョンのエンドポイントに送信していることを確認してください。たとえば、北米のイベントは北米のエンドポイントに送信します。 |
|
|
トークンに必要な権限がありません。スキルにAlexaイベントを送信する権限があることを確認してください。詳細については、Alexaイベントゲートウェイへのアクセス権限のリクエストを参照してください。 |
|
|
指定されたIDに関連付けられたアカウントレコードが存在しないか、期限が切れています。このエラーは、イベントの送信が遅すぎた場合や、無効なIDが指定された場合に発生する可能性があります。指定されたIDと認可コードが正しいことを確認してください。 |
|
|
このトークンに関連付けられたスキルIDが見つかりませんでした。このエラーは、スキルが認定中などの異なるステージにあるときにユーザーのアクセストークンが生成された場合に発生します。このユーザーでスキルの無効化と有効化を行ってみてください。 |
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|
イベントペイロードのサイズが大きすぎます。1回のリクエストで許容されるエンドポイントの最大数は300です。より小さいペイロードでメッセージを送信してください。 |
|
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リクエスト数が多すぎます。メッセージを最大3回再送してください。再送の間隔は、1秒以上空けてください。 |
|
|
Alexaでエラーが発生したため、メッセージは処理されませんでした。メッセージを最大3回再送してください。再送の間隔は、1秒以上空けてください。問題が解消されない場合、Alexa開発者向け問い合わせ窓口にお問い合わせください。 |
|
|
Alexaがメッセージを受け付けられませんでした。メッセージを最大3回再送してください。再送の間隔は、1秒以上空けてください。問題が解消されない場合、Alexa開発者向け問い合わせ窓口にお問い合わせください。 |
応答本文401 Unauthorizedの例
以下は、エラー応答の例です。
HTTP/1.1 400 Bad Request
Date: Wed, 07 Mar 2018 20:25:31 GMT
Connection: close
{
"header": {
"namespace": "System",
"name": "Exception",
"messageId": "90c3fc62-4b2d-460c-9c8b-77251f1698a0"
},
"payload": {
"code": "INVALID_ACCESS_TOKEN_EXCEPTION",
"description": "アクセストークンが無効、有効期限切れ、形式が正しくないのいずれかです。"
}
}
最終更新日: 2022 年 05 月 25 日