クイック定期購入の概要
クイック定期購入を利用すると、FireデバイスやアプリのECサイトで定期購入型アイテムを購入するときに必要とされるクリック回数が少なくなります。クイック定期購入によって、ユーザーはアプリのダウンロード、定期購入型アイテムの購入、ワンクリックアカウント情報共有を効率的に行うことができます。
Fire TVの一般的なアカウント作成プロセスでは、ユーザーはリモコンを使用してアカウント情報を入力する必要があります。クイック定期購入では、ユーザーは1回のクリックだけで氏名、郵便番号、Eメールアドレスをアプリと共有できるため、アカウントの作成とサインインに伴う手間が軽減されます。
定期購入の要件
クイック定期購入を使用するには、アプリは次の要件に従う必要があります。
- Amazonアプリストアがユーザーにオファーを提示し、ユーザーが購入してトランザクションを確認したら、そのユーザーが実際にオファーの対象であるかどうかにかかわらず、オファーの条件に従う必要があります。
- クイック定期購入で提示されるすべての定期購入型アイテムが、アプリで利用できる必要があります。
- ユーザーが定期購入型アイテムを購入した後は、アプリ内でその定期購入型アイテムを再度購入できないようにする必要があります。
ユーザーフローの比較
次の画像は、クイック定期購入を使用せずに、Fire TVで定期購入に登録する場合の一般的なユーザーエクスペリエンスを示しています。
クイック定期購入を使用すると、ユーザーは最初の手順でアプリの詳細ページから直接定期購入できます。次の画像は、クイック定期購入を使用してFire TVで定期購入に登録する場合のフローを示しています。
ワンクリックアカウント情報共有では、Amazonアプリストアからユーザーに同意画面が表示され、ユーザーはそこで詳細情報をアプリと共有することに同意できます。ユーザーが同意すると、アプリがダウンロードされて起動し、Amazonからユーザーの詳細情報を取得してアカウントを作成します。その後、アプリは認証情報入力の手順を介さずに、自動的にユーザーのサインインを完了します。
カスタマーエクスペリエンス
次の画像は、Fire TV、Fireタブレット、AmazonのECサイトでのクイック定期購入のカスタマーエクスペリエンスを示しています。
クイック定期購入のしくみ
以下の手順は、Fireデバイスでクイック定期購入がどのように動作するかを説明したものです。
手順1: ユーザーが、Fireデバイスでアプリの詳細ページから定期購入型アイテムの購入を開始します。
手順2: Amazonは、ユーザーに氏名、郵便番号、Eメールアドレスをアプリと共有する権限を求める同意画面を表示します。
手順3: Amazonがユーザーに購入の完了を通知します。
手順4: アプリが自動的にダウンロードされ、ユーザーのデバイスで起動されます。
手順5: アプリは起動時に、ユーザーがアプリにサインインしているかどうかを判断します。ユーザーがサインインしていない場合、アプリはAmazonアプリ内課金(IAP)からgetUserData()
メソッドを呼び出し、Amazonはユーザーの同意ステータスを返します。
同意ステータスがCONSENTED
の場合、アプリはステップ5aに従います。同意ステータスがUNAVAILABLE
の場合、アプリはステップ5bに従います。
ステップ5a - 同意ステータスがCONSENTED
の場合:
-
アプリは
requestUserProfileAccess()
メソッドを呼び出して、ユーザープロフィールにアクセスするための認可コードを取得します。 -
サーバーは、認可コードを使用してGet Access Token REST APIを呼び出すことでアクセストークンを取得します。
-
サーバーは、前のステップのアクセストークンを使用して、Get User Profile REST APIを呼び出すことによりユーザーの詳細を取得します。ユーザーの詳細情報には、名前、郵便番号、Eメールアドレスが含まれます。
-
アプリは、ユーザーの詳細情報を使用して新しいアカウントを作成するか既存のアカウントにマップし、ユーザーを自動的にサインインさせます。
ステップ5b - 同意ステータスがUNAVAILABLE
の場合: アプリは、デフォルトのアカウントサインインおよびアカウント作成エクスペリエンスを表示します。
手順6: ユーザーがサインインすると、アプリはonResume()
メソッドでAmazon IAPのgetPurchaseUpdates()
メソッドを呼び出して、購入のレシートを取得します。
手順7: アプリはサーバーの購入データを更新し、verifyReceiptId
REST APIを呼び出してAppstore SDK IAP用レシート検証サービスで検証します。
手順8: アプリは、IAPのnotifyFulfillment()
メソッドを呼び出して購入のレシートを確認し、ユーザーがコンテンツにアクセスできることを確認します。
* 既にnotifyFulfillment()
ではなくAcknowledge Receipt APIを統合している場合、アプリはacknowledgeReceipt
REST APIを呼び出して、ユーザーがコンテンツにアクセスしたことを確認します。
手順9: アプリはユーザーにコンテンツへのアクセスを許可します。
手順10: アプリはリアルタイム通知(RTN)を使用して、ユーザーのアプリ内課金のステータスに関する通知を受け取ります。
クイック定期購入に関するよくある質問(FAQ)
クイック定期購入に関するよくある質問(FAQ)を以下に示します。
- Q: クイック定期購入と統合する場合、アカウント情報共有のサポートを追加する必要がありますか?
-
はい。アプリがアカウントの作成とサインインを行えるようにするために、Amazonはユーザーの詳細情報(Eメール、氏名、郵便番号)をアプリに渡します。
- Q: 無料体験を提供している場合、クイック定期購入も提供できますか?
- はい。1つの定期購入型商品でクイック定期購入と無料体験の両方を提供できます。ただし、クイック定期購入は60日間の無料体験に対応していません。
- Q: ユーザーが以前に無料体験を利用していた場合はどうなりますか?
-
クイック定期購入では、以前にAmazonアプリストアで作成された無料体験を検出できます。これにより、ユーザーが追加の無料体験期間を開始することはできません。ただし、ユーザーがAmazon以外でトライアルを開始していた場合、クイック定期購入ではこの情報を検出できないため、ユーザーは追加の無料トライアルを開始できます。
- Q: ユーザーがクイック定期購入で定期購入型アイテムを購入し、アプリを2台目のデバイスにダウンロードするにはどうすればよいですか?
-
定期購入型アイテムは、クイック定期購入で購入した後、ユーザーのアカウントに追加されます。「アプリのみ」のオプションを使用すると、ユーザーはアプリをほかのデバイスにダウンロードできます。これで、ユーザーが各デバイスで定期購入型アイテムにアクセスできるようになります。
- Q: プロモーション価格を提供している場合、クイック定期購入も提供できますか?
-
はい。1つの定期購入型商品でクイック定期購入とプロモーション価格の両方を提供できます。ただし、クイック定期購入は、週単位または隔週単位のプロモーション価格に対応していません。
- Q: クイック定期購入はどのバージョンのAmazonアプリストアでサポートされていますか?
- クイック定期購入を正しくテストするには、リリース8.5026以降のバージョンのAmazonアプリストアを使用する必要があります。
getPurchaseUpdates()
で断続的に同期の問題が発生する場合は、使用しているAmazonアプリストアのバージョンがサポート対象であることを確認してください。 - Q: クイック定期購入はどのマーケットプレイスで利用できますか?
- クイック定期購入は、インドを除くすべてのマーケットプレイスで利用できます。
ワンクリックアカウント情報共有に関するよくある質問(FAQ)
- Q: Acknowledge Receipt APIと
notifyFulfillment()
メソッドの違いは何ですか? 両方と統合する必要がありますか? notifyFulfillment()
メソッドは、クライアント側のAppstore SDKに含まれており、アイテム付与の結果をAmazonに送信することでアイテムの付与を確認します。Acknowledge Receipt APIも同じ目的を達成しますが、これはacknowledgeReceipt
オペレーションを使用するサーバー間の呼び出しによって行われます。-
アイテム付与の結果をAmazonに通知するには、アプリ内で少なくともどちらか1つを使用する必要があります。既にAcknowledge Receipt APIを統合している場合は引き続き使用できますが、
notifyFulfillment()
の使用が推奨されます。アプリでAcknowledge Receipt APIとnotifyFulfillment()
の両方を使用することもできます。 - Q: アカウントを作成するために、Eメールアドレス、名前、郵便番号以外の情報が必要な場合はどうすればよいですか?
- 追加情報が必要な場合、アプリは必要な情報をユーザーにリクエストする必要があります。
- Q: ワンクリックアカウント情報共有は従来のSDKでサポートされますか?
- いいえ。ワンクリックアカウント情報共有を使用するには、Appstore SDKと統合する必要があります。アプリがIAP SDK v2.0でクイック定期購入を使用している場合は、Appstore SDKにアップグレードする必要があります。ワンクリックアカウント情報共有は、Appstore SDK v3.0.5以降でサポートされています。
- Q: ライブアプリテスト(LAT)でワンクリックアカウント情報共有をテストできますか? LATテスターの同意をリセットして、テストを再び開始することはできますか?
- はい。LATでワンクリックアカウント情報共有をテストできます。同意をリセットするには、LATテスターがAmazonログインを管理するに移動して、[接続の管理] 列の [アクセスを削除] をクリックする必要があります。同意ステータスを一括で取り消すオプションはありません。
- Q: App Testerを使用してワンクリックアカウント情報共有をテストできますか?
- App Testerを使用すると、
getUserData()
メソッドの同意ステータス属性を模擬的に設定できます。統合をテストするには、同意ステータスのレスポンスをCONSENTED
またはUNAVAILABLE
に設定します。返されたステータスがCONSENTED
の場合、アプリはrequestUserProfileAccess()
を呼び出して認可コードを取得する必要があります。次に、Appstore SDK REST APIを呼び出してユーザーデータを取得し、自動的にサインインさせます。返されたステータスがUNAVAILABLE
の場合、アプリはデフォルトのサインインエクスペリエンスにフォールバックする必要があります。
次の手順
開始するには、クイック定期購入のセットアップを参照してください。
Last updated: 2024年12月18日