Amazon Maps APIの概要(v2.5)
Amazon Maps APIを使用すると、ピンチ、回転、ズーム、パンなどの一般的なジェスチャーをスムーズにサポートする高品質のインタラクティブマップを備えたタブレットアプリを作成できます。
- Amazon Maps APIの一般的な使用事例
- Amazon Maps APIの機能
- Maps API v2.5をサポートするFireタブレット
- 最小APIレベル
- 国際地図サポート
- Amazon Maps SDK(v2.5)のダウンロード
- 技術概要
- 次のステップ
Amazon Maps APIの一般的な使用事例
Amazon Maps APIを使用すると何ができるでしょうか。 一般的な使用事例としては、会社の所在地のリストと、住所や電話番号の詳細を含むポップアップを表示することが挙げられます。たとえば、サンプルアプリ(英語のみ)では、コーヒーショップのチェーンを示すインタラクティブマップが使用されています。ユーザーは [Coffee Shops] ボタンをクリックすると、すべてのコーヒーショップが地図上のどこにあるかを表示できます。各店舗をクリックすると、店舗の住所や電話番号などが表示されます。デモについては、Sample App Demo(英語のみ)を参照してください。
その他の用途としては、近所のさまざまな店舗をさまざまなカテゴリーで表示するレビューアプリがあります。たとえば、ユーザーは近くのレストラン、スーパーマーケット、ガソリンスタンド、カフェなどの場所を選択して表示できます。さらに別の用途として、ユーザーがインタラクティブなジェスチャーで地形を探索できるトレイルマップやハイキングマップなどもあります。
モバイル環境では一般的にスマートフォンアプリが使用されますが、インタラクティブなキオスクや物理的なイベント(美術館や会議など)では、タブレットアプリの方が一般的です。タブレットアプリを使用すると、地図上の詳細情報やその他のスポットを確認できる画面領域が広くなります。画面領域が広くなることで、ユーザーは手を使ってより多くのマップ操作を実行できるようになります。
Amazon Maps APIを使用すると、アプリの可能性が大きく広がります。使用例としては、ほかにも以下のようなものがあります。
- 子供たちが絶滅した動物がどこにいるかを確認できる博物館アプリ
- すべての乗り物やトイレの場所を確認できるアドベンチャーパークアプリ
- さまざまなカテゴリーの店舗を地図上で強調表示するモールアプリ
- 地域内のすべての公共プールと公園を表示する地域アプリ
- 地域の歴史的な場所やその他の名所を表示する観光アプリ
私たちは常にさまざまな場所で交流を図っているため、関心のある場所に案内してくれる地図が必要です。このようなエクスペリエンスは、Amazon Maps APIを使用することで作成できます。作成されるアプリでは、世界中で使用されている何百万ものFireタブレットデバイスとの互換性が確保されます。
Amazon Maps APIの機能
Amazon Maps APIの最も重要な機能は以下のとおりです。
- 滑らかなズームとパン動作を備えた高品質のベクターマップの表示
- 標準地図タイルと衛星地図タイルの表示
- フラグメントの使用
- 位置データの表示
- ユーザーによるマップ操作の処理
- 地図上での特定の場所を示すマーカーの追加
- 2つ以上の場所をつなぐポリラインの描画
- 近隣の強調表示やエリアの円形表示を行うポリゴンの描画
以下は、タブレットアプリに埋め込まれたサンプルマップです。これは静的な表示ですが、このアプリでは、ピンチ、ズーム、回転、その他のジェスチャーをスムーズに使用できます。
Maps API v2.5をサポートするFireタブレット
FireタブレットでのMaps API v2.5のサポートは、タブレットのFire OSバージョンによって異なります。Amazon Maps APIは、Fire OS 5以降を搭載するタブレットでサポートされています。サポートの具体的な開始日は、 Fire OS 7では7月28日、Fire OS 5では10月26日となっています。Fire OS 6を搭載しているタブレットは、7月28日にFire OS 7にアップグレードされます。次の表に詳細を示します。
Fireタブレット | Maps v2.5のサポート | ビルドモデル | AndroidのバージョンとAPIレベル | 最新のFire OSバージョン |
---|---|---|---|---|
Fire HD 10(2023、第13世代) | なし | KFTUWI |
Android 11、APIレベル30 | Fire OS 8 |
Fire Max 11(2023、第13世代) | なし | KFSNWI |
Android 11、APIレベル30 | Fire OS 8 |
Fire HD 8(2022、第12世代) | サポートあり | KFRAWI(2GB)、KFRAPWI(3GB) |
Android 11、APIレベル30 | Fire OS 8 |
Fire 7(2022、第12世代) | サポートあり | KFQUWI |
Android 11、APIレベル30 | Fire OS 8 |
Fire HD 10(2021、第11世代) | サポートあり | KFTRWI(3GB)、KFTRPWI(4GB) |
Android 9、APIレベル28 | Fire OS 7 |
Fire HD 8(2020、第10世代) | サポートあり | KFONWI |
Android 9、APIレベル28 | Fire OS 7 |
Fire HD 10(2019、第9世代) | サポートあり | KFMAWI |
Android 9、APIレベル28 | Fire OS 7 |
Fire 7(2019、第9世代) | あり | KFMUWI |
Android 9、APIレベル28 | Fire OS 7 |
Fire HD 8(2018、第8世代) | あり | KFKAWI |
Android 9、APIレベル28 | Fire OS 7 |
Fire HD 10(2017、第7世代) | サポートあり(2020年10月26日時点) | KFSUWI |
Android 5.1、APIレベル22 | Fire OS 5 |
Fire HD 8(2017、第7世代) | サポートあり(2020年10月26日時点) | KFDOWI |
Android 5.1、APIレベル22 | Fire OS 5 |
Fire 7(2017、第7世代) | サポートあり(2020年10月26日時点) | KFAUWI |
Android 5.1、APIレベル22 | Fire OS 5 |
Fire HD 8(2016、第6世代) | サポートあり(2020年10月26日時点) | KFGIWI |
Android 5.1、APIレベル22 | Fire OS 5 |
Fire HD 10(2015、第5世代) | サポートあり(2020年10月26日時点) | KFTBWI |
Android 5.1、APIレベル22 | Fire OS 5 |
Fire HD 8(2015、第5世代) | サポートあり(2020年10月26日時点) | KFMEWI |
Android 5.1、APIレベル22 | Fire OS 5 |
Fire(2015、第5世代) | サポートあり(2020年10月26日時点) | KFFOWI |
Android 5.1、APIレベル22 | Fire OS 5 |
Fire HDX 8.9(2014、第4世代) | サポートあり(2020年10月26日時点) | KFSAWA(WAN)、KFSAWI(Wi-Fi) |
Android 5.1、APIレベル22 | Fire OS 5 |
Fire HD 7(2014、第4世代) | サポートあり(2020年10月26日時点) | KFASWI |
Android 5.1、APIレベル22 | Fire OS 5 |
Fire HD 6(2014、第4世代) | サポートあり(2020年10月26日時点) | KFARWI |
Android 5.1、APIレベル22 | Fire OS 5 |
Kindle Fire HDX 7(2013、第3世代) | サポートなし | KFTHWA(WAN)KFTHWI(Wi-Fi) |
Android 4.4.2、APIレベル19 | Fire OS 4 |
Kindle Fire HDX 8.9(2013、第3世代) | サポートなし | KFAPWA(WAN)KFAPWI(Wi-Fi) |
Android 4.4.2、APIレベル19 | Fire OS 4 |
Kindle Fire HD 7(2013、第3世代) | サポートなし | KFSOWI |
Android 4.4.2、APIレベル19 | Fire OS 4 |
Kindle Fire(2012、第2世代) | サポートなし | KFOT |
Android 4.0.3、APIレベル15 | Fire OS 3 |
Kindle Fire HD 7(2012、第2世代) | サポートなし | KFTT |
Android 4.0.3、APIレベル15 | Fire OS 3 |
Kindle Fire HD 8.9(2012、第2世代) | サポートなし | KFJWA(WAN)KFJWI(Wi-Fi) |
Android 4.0.3、APIレベル15 | Fire OS 3 |
Kindle Fire(2011、第1世代) | サポートなし | Kindle Fire |
Android 2.3.3、APIレベル10 | Fire OS 2 |
重要な点は、10月26日以降、Fire OS 5以降を搭載しているすべてのFireタブレットがMaps API v2.5をサポートするようになるということです。Fireタブレットの仕様について詳しくは、以下のトピックを参照してください。
最小APIレベル
Amazon Mapsでサポートされる最小APIレベルは、Fire OS 5(APIレベル21)です。それ以前のAPIレベル(例:Fire OS 5未満)を搭載するFireタブレットは、Amazon Maps APIをサポートできません。詳細については、Amazon Maps SDK v1.0およびv2.0廃止のお知らせを参照してください。
プロジェクトのbuild.gradle
ファイルで、最小Android SDKバージョン(android:minSdkVersion
)を21
に設定してください。ターゲットSDKバージョン(android:targetSdkVerion
)を27
に設定することもできます。これらのAPIレベルでの作業の詳細については、以下のトピックを参照してください。
- Fireタブレット向けFire OS 6(Fire OS 6はAPIレベル25に基づいています)
- Fireタブレット向けFire OS 7(Fire OS 7はAPIレベル28に基づいています)
これらのトピックでは、Android APIレベル25および28にアップグレードするためにアプリに加える必要のある潜在的な変更に焦点を当てています。
国際地図サポート
Amazon Maps API v2.5は、中国、日本、インドを除き、Fireタブレットが販売されている国または地域でサポートされています。アプリが日本で配信されないようにするには、アプリを申請する際に、[アプリのターゲットを指定する] 画面で配信地域を適宜設定します。
Amazon Maps APIは一部のマーケットプレイスや国では利用できませんが、マップ機能はそれらの地域でも引き続き機能します。
Amazon Maps SDK(v2.5)のダウンロード
Amazon Maps SDK(v2.5)は以下からダウンロードできます。
SDKファイルには、Androidアーカイブファイル(AAR)、Maven POMファイル、リファレンスドキュメント、サンプルアプリ(英語のみ)が含まれています。これと同じファイルは、SDKダウンロードページからもダウンロードできます。
技術概要
Activity
でAmazonマップを表示するには、MapFragment
クラスまたはSupportMapFragment
クラスを使用します。マップが表示されたら、ユーザーはタッチジェスチャーを使用してマップのパン、ズーム、回転、傾き調整を行うことができます。
マップの種類や、マップを操作(回転、スクロール、傾き調整)するためのジェスチャーの有効化/無効化、UI要素(ズームボタンやコンパスボタン)の表示制御など、マップのいくつかのオプションを設定できます。
マップを操作するには、MapFragment
またはSupportMapFragment
からAmazonMap
オブジェクトを取得します。AmazonMap
クラスは、マップを操作するための主要なクラスです。
AmazonMapOptions
を使用して、XMLレイアウトまたはコードのいずれかで初期マップ設定を設定します。
マップカメラの移動
マップカメラは、マップに表示される世界の領域を決定します。
- カメラのターゲットは、マップの中心の緯度と経度の位置です。
- カメラのズームレベルは、表示領域のスケールを設定します。数値が大きくなるにつれて、カメラは地球に近づき、より小さな領域をより詳細に表示します。
- カメラの方位は、マップの向きを設定します。方位は度単位で測定され、コンパス方位と同様に機能します。たとえば、方位を0に設定するとマップの向きは北が上になり、方位を270に設定するとマップは西が上になるように回転します。
- カメラの傾きは、地球に対するカメラの角度です。
AmazonMap
のCameraPosition
属性には、現在のカメラ位置に関する情報が含まれています。
カメラを新しい位置に移動するには、新しい位置、ズーム、方位、傾きを指定するCameraUpdate
オブジェクトを作成し、それをAmazonMap.moveCamera()
メソッドに渡す必要があります。
ユーザーの位置情報の表示
AmazonMap.SetMyLocationEnabled()
を使用してマイロケーションレイヤーをオンにすると、ユーザーの現在地と [検索] ボタンを自動的に追加できます。
マップ上でのオブジェクトの描画
地図アプリは通常、スポットや目的地を示すマーカー、ルートを表す線、その他の図形などのオブジェクトを地図上に描画します。
マーカー
マーカーをマップに追加するには、MarkerOptions
オブジェクトでマーカーの位置とその他のプロパティを定義し、AmazonMap.addMarker()
を呼び出します。マーカーにはカスタムアイコンと色を使用できます。
線と図形
マップには線や図形を追加できます。マーカーと同様に、Options
オブジェクトを使用して図形の初期設定を行い、次にadd
メソッドを呼び出して図形を描画します。以下を追加できます。
- 一連の点によって定義される線(
Polyline
)。 - 中心と半径で定義される円(
Circle
)。 - 線で結ばれた3つ以上の点の連続によって定義されるポリゴン(
Polygon
)。
詳細については、以下を参照してください。
次のステップ
Getting Started with the Amazon Maps API (v2.5)(英語のみ)を参照してください。